駅長の手紙 2025.9

道の駅萩往還を運営する一般社団法人萩物産協会の会員(正会員・準会員)の皆様に、毎月の精算書と一緒にお届けしている「駅長の手紙」。
ユーモアあふれる日常の話題から萩全体の課題への真面目な考察まで、毎月ジャンルを問わない多岐にわたる話題で隠れファンもたくさんいるとかいないとか。

会員皆様宛の手紙とは別に、毎月の給与明細とともに道の駅萩往還のスタッフ全員に渡している手紙もあります。こちらも日々の業務の中で生まれた気づきと、道の駅萩往還の理念を伝える駅長からのメッセージ。つまりは、道の駅萩往還の歴史そのものです。

そんな駅長の手紙を道の駅萩往還の記録として未来に残すため、公式ホームページでシリーズとして毎月掲載いたします。ぜひご一読ください。

※「駅長の手紙」における発言内容は、駅長・篠原の個人的な意見です。
※表現の一部に不適切な点が含まれる可能性がありますが、著者の意図を尊重し、原文のまま掲載しております。

萩物産協会 会員皆様宛

一般社団法人 萩物産協会会員 皆様

令和7年9月
道の駅萩往還 駅長:篠原 充

8月もパッとしなかった原因

 拝啓 残炎の侯、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 今年のお盆期間は8/9(土)~8/17(日)の9日間。売上は、決して好調ではなかった昨年と比較しても、部門別で10~33%の大きな落ち込みで終了しました。みなさんは、原因をどう考えられますか?
私なりの見解は、以下の通りです。一番の原因は私の努力不足としたうえで。

  • 初日・2日目の豪雨。3連休のしょっぱなが豪雨に見舞われ、JRなど公共交通機関の運休や、県内各地の道路が通行止めになった。萩の宿泊施設もキャンセルがあった。
  • 大阪関西万博。期間がバッティングし、観光客が流れた。
  • 萩市の観光過疎化。ここ10年、コロナ後も観光客が減り続けている。
  • 酷暑。命に係わる暑さで外出を控えた。
  • 物価高による消費控え。

 とまあ、ここまでは誰もが思いつく原因ですが。これから先、さらに深刻になる潜在的大問題がもうひとつあります。それは。

  • 団塊世代が75歳以上の後期高齢者になったこと。加えて戦後の「ベビーブーマー」と呼ばれる1964年生まれまでの世代が60歳を超え、かつて日本の消費を支えてきた最大人口ゾーンの消費活動が失速しはじめたことです。

 内藤英賢氏(観光コンサル他)によりますと、2024年に70代以上の70%が1回も旅行に行ってないそうです。逆に最も多かったのは20代で、60%以上が宿泊旅行に一回以上行ったそうです。また、全体でみると日本人の国内旅行は毎年・毎月、2%ほど減少しており、人口減少の激しい地域では10%レベルで減少しているそうです。まさに萩市。

 インバウンドがあるから大丈夫?「今、インバウンドに選ばれていない地域が急に賑わうことはないと考えるほうが自然」と仰っています。

 同氏は「おそらく日本で最初に革新的なデスティネーションマーケティングが生まれる地は、名の知れた観光地ではなく、地方の辺境から起きてくる」と予想しています。なぜなら、目の前でお客様の数が減りに減り、「このままではマズい!」「座して死を待つわけにはいかない!」となり、必死のパッチでみなさん知恵を出し合い、行動を起こすようになるからだそうです。

 もちろん、地方創生は簡単ではない事は、言うまでもありません。その地に「やり切れる人たち」がいるか、いないかが大問題です。

敬具

道の駅萩往還 スタッフ宛

道の駅萩往還 従業員 各位

令和7年8月
道の駅萩往還 駅長:篠原 充

最も説得力あるサービス

 今年のお盆期間は8/9(土)~8/17(日)の9日間。8/10(日)・11(月・祝)の豪雨で出足がくじかれ、後半やや持ち直したものの、期間全体の数字はぱっとしませんでした。また、他の原因として、そもそもの萩の観光地としての低迷と、近畿や中国地方のお客さんが大阪関西万博に流れたことも影響があったように思います。

 さて、お盆の期間中、とても良い変化がありました。物産館の女性スタッフ全員が、積極的にお客さんに声掛けしてくれたことです。事務所にいても、声がよく届いてきました。

 観光客の大半は、萩の特産品が何か知りません。「へ~。甘夏有名なんだあ~。」とか、「萩ってスイカも獲れるんだあ~。」は、良く聞くセリフです。さらに驚く質問が「萩には何があるんですか?どこ見たら良いですか?」です。逆に「何しに萩に来たの?」と聞きたくなる不思議な質問もめずらしくありません。つまり、「柑の雫」や「うきしま工房の生シュー」など、誰も知りません。

 お客さんにとって、最も説得力のある説明は、店のスタッフによるものです。スタッフが何気なく投げかけた言葉を、お客さんは驚くほどよく聞いておられます。「スタッフのおすすめ商品」は、旅先で大きな価値のある情報であると同時に、それを言葉で伝えることは、最高のサービスでもあります。お盆期間に限らず、これからもよろしくお願いします。  

一カ月ごくろうさまでした。