駅長の手紙 2026.1
道の駅萩往還を運営する一般社団法人萩物産協会の会員(正会員・準会員)の皆様に、毎月の精算書と一緒にお届けしている「駅長の手紙」。
ユーモアあふれる日常の話題から萩全体の課題への真面目な考察まで、毎月ジャンルを問わない多岐にわたる話題で隠れファンもたくさんいるとかいないとか。
会員皆様宛の手紙とは別に、毎月の給与明細とともに道の駅萩往還のスタッフ全員に渡している手紙もあります。こちらも日々の業務の中で生まれた気づきと、道の駅萩往還の理念を伝える駅長からのメッセージ。つまりは、道の駅萩往還の歴史そのものです。
そんな駅長の手紙を道の駅萩往還の記録として未来に残すため、公式ホームページでシリーズとして毎月掲載いたします。ぜひご一読ください。
※「駅長の手紙」における発言内容は、駅長・篠原の個人的な意見です。
※表現の一部に不適切な点が含まれる場合がありますが、著者の意図を尊重し、原文のまま掲載しております。
萩物産協会 会員皆様宛
一般社団法人 萩物産協会会員 皆様
令和8年1月
道の駅萩往還 駅長:篠原 充
集大成
拝啓 初春の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
私事ですが、2年前の60歳の定年を機に、故郷の宇部市でバーを開業する予定でした。小学生のころから50年以上かけて蒐集した数千枚のアナログレコードを最新の音響設備と上質な空間演出でゆっくり聴いてもらうロックバーです。
「お金儲け」の意図は全くなく、会員制で、宇部の気の合う同級生が楽しんでくれればそれで良く、何より私自身の残りの人生を、満ち足りた空間で過ごすための計画でした。
ところが同じ2年前、九州で出来たばかりの次世代型道の駅に立ち寄った際、「これ、萩でやれば、すごい事になる」とひらめいて、バーの計画は中止。当協会の理事会や総会で、萩の地域経済を活性化する複合施設の企画を提示させていただきました。あわせて協会以外のたくさんの方々にも相談させていただきました。
しかし、現在のところ計画は「具体的」に一歩も前に進んでいません。全て私の力不足が原因で、賛同してくださっている多くの方々に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。
この企画は大規模です。大規模でなくてはならない大きな理由のひとつが、全てのコンテンツを「有機的に結びつける」必要があるからです。例えば「萩の天然ふぐ」をプロモートするとします。複合施設では、「ふぐ」に別のエレメントを掛け合わせます。以下「×=カケル」と読んでください。×最新冷凍設備、×集中調理室、×熟成の研究、×萩焼・萩ガラス、×調味料(橙酢・醤油・塩)、×加工品(塩干・練り製品)、×地酒・地ビール、×イベント、×飲食店、×宿泊、×インバウンド、×子供食堂、×体験、×ふるさと納税といった具合です。カケルことにより、萩のどれかひとつのエレメントに興味を持った方が、つながった別のエレメントへの「入口」になる仕組み→複合施設→大規模→萩の総合力になる狙いです。
今年から作戦を変えます。複合施設が塊として動かないのであれば、その中の重要なエレメントをバラバラにして、ひとつずつ動かしていく作戦です。
この計画は、私個人にとって何の利益もありません。が、すでに一部の方から誹謗中傷を受けています。やらないほうが、明らかに楽です。しかし、ここまで生きてきた全ての経験が活かせる、まさに人生の集大成としてやってみる価値が充分あると思っています。ロックバーの計画は、あと3年間凍結し、複合施設の実現に向け、全力で働く所存でございます。
今年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。
敬具
道の駅萩往還 スタッフ宛
道の駅萩往還 従業員 各位
令和7年12月
道の駅萩往還 駅長:篠原 充
たぶん萩で一番
当駅には2つの公衆トイレがあります。施設側と道路向かいのそれぞれのトイレを、道の駅利用者だけでなく、通勤や運送業、団体バスなど、様々な方が「トイレだけ」利用されています。スーパーや商業施設と違い、道の駅の本来の設置目的は「道路利用者の休憩施設」ですので、それはそれでOKです。
最近、私自身がトイレ掃除をしていて、こう思います。「もしかしてここ、萩で一番利用されている屋外公衆トイレなんじゃないの?」です。
幹線道路の上下線それぞれにトイレがあり、行きも帰りも使える上、24時間開放しているため、たぶん萩で一番使われていると思います。
現在、専属スタッフの大谷さんが週5日、感心するほど一生懸命に掃除をしてくれています。朝、トイレ中をピカピカに磨いてくれています。しかし、平日は午前中で仕事が終わるため、午後から利用された方が、シッコをまき散らしたり、ウンコを花火のように爆発させたり、ゴミを捨てたりすると一発で「わや」です。汚れるのは一瞬です。なので、利用者が多い分、残念ながら「常に」萩で一番きれいで清潔な屋外公衆トイレとは言えません。
しかし、私は知っています。スタッフのみなさんが、自身の用足しでトイレを使用する際、ゴミ拾いや掃除、ペーパーの補充をしてくれている事を。
当駅の公衆トイレが出来たのは1995年。一度改修したとはいえ、築30年以上経った古いトイレです。あちらこちらが老朽化しています。しかし、私たちスタッフ全員が、使うたびに少しずつきれいにすれば、清潔は保てます。ゴミひとつ拾うだけでもぜんぜん違います。
公衆トイレは「施設の顔」であると同時に、萩の「街の顔」でもあります。
今年も1年、ありがとうございました。

