駅長の手紙 2025.3
道の駅萩往還を運営する一般社団法人萩物産協会の会員(正会員・準会員)の皆様に、毎月の精算書と一緒にお届けしている「駅長の手紙」。
ユーモアあふれる日常の話題から萩全体の課題への真面目な考察まで、毎月ジャンルを問わない多岐にわたる話題で隠れファンもたくさんいるとかいないとか。
会員皆様宛の手紙とは別に、毎月の給与明細とともに道の駅萩往還のスタッフ全員に渡している手紙もあります。こちらも日々の業務の中で生まれた気づきと、道の駅萩往還の理念を伝える駅長からのメッセージ。つまりは、道の駅萩往還の歴史そのものです。
そんな駅長の手紙を道の駅萩往還の記録として未来に残すため、公式ホームページでシリーズとして毎月掲載いたします。ぜひご一読ください。
※「駅長の手紙」における発言内容は、駅長・篠原の個人的な意見です。
※表現の一部に不適切な点が含まれる可能性がありますが、著者の意図を尊重し、原文のまま掲載しております。
萩物産協会 会員皆様宛
一般社団法人 萩物産協会会員 皆様
令和7年3月
道の駅萩往還 駅長:篠原 充
間違いだらけの消滅可能性自治体
拝啓 早春の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今年、私は62歳になります。25年後の2050年には87歳で、死亡していると思います。仮に生きていたとしても、第一線で働くことは100%不可能です。
昨年発表された「人口戦略会議」のレポートで、萩市は2050年「消滅可能性自治体」に分類されたことは、先日も書きました。私は強い危機感を持っていますが、私の周辺には、誤解していらっしゃる方が多いように思います。
近年、萩市は毎年1,000人ほどの方が死亡し、出生は100人そこそこ。人口は2000年の63,172人から2023年には43,273人と2/3に激減し、この先も減少はさらに続いていきます。
同レポートの試算で、萩市の2050年の人口予想は21,167人(移動想定)と、現在のさらに半分程度です。特殊出生率の低下や転出超過に歯止めがかからなければ、2050以降も減少はさらに加速度的に進みます。要するに、人口2万人想定で街づくりを計画することは間違いで、2050年以降は、街が崩壊=消滅する可能性が高いということです。
萩市は今後、「自立」することは、ほぼ不可能です。医療や福祉などを、萩市単独の財政や人的資源でまかなうことはできないと思います。それらは近隣市町と広域連携するしかありません。
場当たり的な取り組みでは、遅かれ早かれ結果は同じ。机上の空論(点と点をつないで線や面にするなど)などは全く無意味。話になりません。
必要なのは具体的な策と、それを実現させるドラスティックな「挑戦」です。
2050以降にも、街が「継続」することは可能です。人口2万人に食い止めることは不可能ではありません。私が死ぬまでには実現させます。
敬具
道の駅萩往還 スタッフ宛
道の駅萩往還 従業員 各位
令和7年2月
道の駅萩往還 駅長:篠原 充
気分転換
私は1人っ子です。ですが、萩にオトウトのような後輩が2人います。私が23年前、萩に来たとき3人とも同じ職場で働いた縁で、仲良くなりました。先日、この3人で萩のジョイフルで酒を飲みました(ジョイ飲み)。夕方6時過ぎから始めて、夜中の11時ごろまで、約5時間食べて飲みまくり、会計は余裕で1万円オーバー。まあ、普通の居酒屋で飲めば、その2~3倍といったところでしょうか。
私が20~30代のころ働いた広島市の会社の社長がよくおっしゃっておられました。「出張するときは、その町で一番高いホテルに泊まり、高級店でご飯を食べなさい。そこでサービスを学び、来ているお客から仕事に活かせるセンスを学びなさい」と。また、「安い居酒屋で飲むと愚痴を語る。高級店で酒を飲むと未来を語る」とも。
山田くんとシンジくんと飲んだのは「ジョイフル」でしたが、たわいもない話しに3人でお腹をかかえて笑い、これからのお互いの仕事や人生など「未来」を大いに語り合いました。みんなそれぞれ苦労や悩みがありますが、本当に良い気分転換になった1日でした。
人間だれでも、生きていれば良い事も悪い事もあります。いろいろあります。「ちょっと心が重いな」と感じた時は、たまには気の合う人とパァーッ!と美味しいものを食べに行ってください。おすすめは、ジョイフルやスシローではなく、萩の最高級店。私ほど酒を飲む人はいないと思うので、萩なら1人1~2万円も出せば、充分です。「心がずいぶん軽くなる」と思います。
一カ月、ごくろうさまでした。


